1:守礼之民φφ ★:2012/02/24(金) 13:58:58.61 ID:0
全国的にインフルエンザが猛威をふるい出している昨今、読者諸賢の住まい周辺ではいかがだろうか。
筆者の子どものクラスでは、とうとうクラスメートの半数が撃沈、学級閉鎖の憂き目を見た。
学級閉鎖すると病臥してない子どもまでもが戒厳下におかれる。
基本的に自宅待機、すわチャンスとばかりにネズミの国や海に出かけてはイケナイのである。
学童保育に行くことも禁止される。働く親にとっては我が子の発症ももちろんだが、学級閉鎖も恐怖だ。
しかし学校内でどんなに感染症が跋扈しようと、いま発症してない全ての子どもたちは、他人事のようにピンピンしている。
彼らはいかに気温が限りなく0度に近い状態であっても、体感的に暑いとなれば
綿シャツ一枚で活動することを厭わない。
北風吹きすさぶ児童公園の日だまりに寄り集まる小学生男子たち
先日子どもたちの通学路で不審者対応パトロールに当たっていた筆者。
こちらは耐寒フライトジャケットを着込んで任務についているにも関わらず、せっかくのダウンジャケットをも
ぶんぶん振り回し、時には丸めてボールのように扱いながら「あっちーんだよ!」と歩いている子どもたちに気が遠くなった。
若さって怖い。
果たして、その帰途であった。ランドセルの姿は見えないので、一度帰宅した後のことなのだろう。
北風吹きすさぶ児童公園の日だまりに、4、5人の小学生男子が寄り集まっていた。
寄り集まっているだけで、別に球蹴りに励んでいる訳でも鬼ごっこをしているわけでもない。
中に近所の男児がいたので、一応「おーい、なにしてんのー」と声をかけた。
「誰あれ」「藤原のかーちゃん」「へー」という会話のあとで、「んー、でぃーえすー(=ニンテンドーDS)」との
答えが返ってくる。「寒くないのー?」「べつにー」「暗くなる前に帰るんだよー」「んー」。
そして、ひそひそクスクスと笑い合っている子ら……。何かに似ている風景だなあと思いながら帰った。
あ、そうだ。雨戸の裏で越冬するカメムシ……あれに、そっくりだ……。
大声禁止、ボール禁止、車輪禁止……だから公園で携帯ゲーム
しかして、公園でDSだと?と眉をひそめる向きも大人たちには多かろう。筆者も長子が赤ちゃんの頃、散歩の途中で
公園の滑り台に集結する小学生が、一心不乱に携帯ゲームをしているのを見て「世も末だなー」と思ったことがある。
だが、世も末なのは子ども自身のせいじゃない。なぜならその児童公園は、今や「大声を上げること禁止、
ボール禁止、ラケットもバットも禁止、飛ぶもの全部禁止、車輪禁止、もちろん自転車も禁止」なのだから。
野球もサッカーもドッヂボールもフリスビーも一輪車もローラースケートもバトミントンすらできない公園で、
白熱したケイドロもが許されない公園で、小学生男子たちはひっそりと、興奮した声も上げずにDSに興じているのであった。
家で一人で遊ぶより、それでも仲間と一緒が楽しいのだろう。
かつての数々の遊具は安全管理上の問題で撤去
そもそも、昨今の児童公園からは次々に遊具が消えているのに諸賢はお気づきだろうか。
まず筆者が子どもの頃には普通どこにでもあった「回旋」する遊具が今、児童公園からほとんど撤去されている。
吹っ飛んだ、骨折した、手を挟んだ、落下した、それら事故の責任の所在を子ども自身の能力や運動神経には帰せず、
あくまでも「遊具の安全管理上の問題」にした一連の世論。加えて老朽化も理由に改修や改善ではなく「撤去」で
対処した行政に対して、各種クレームはその後、斜め上な角度からどしどし押し寄せたのだと推察する。
禁止禁止禁止……「どうせいっちゅうねん!」
先述した子どもに対する各種禁止事項に加え、犬の散歩禁止、楽器の練習禁止、朝のラジオ体操と太極拳禁止……と、
「どこかの誰か」の権益?を脅かしたことに対する禁止事項は、大人の余暇にまでも遠慮なく牙を剥いていく。
「くさい」「うるさい」「あぶない」。そのいずれでもない無害なDS小学生にすら、「みぐるしい」という声が寄せられたと
先日耳にした母たちは、「どうせいっちゅうねん!」と怒り心頭に達し、道ばたで吠えたものだ。公園という場所では、
人は何もしてはいけない。というか、居てもいけない。「空間」のみあるべし。
公園にたむろする喫煙集団もやがて……そして公園から人が消える?
別の日。筆者が仕事で上京、JR新橋駅から御成門に向かってベビーカーを押し歩きながら、公園にさしかかった
時のことである。ちょうど昼時、ビルとビルとの狭間には背広を着たビジネスマンなオジさんたちがどこからともなく
現れ集い、もくもくと、ひたすら、喫煙していた。その黒々とした光景に、一瞬、度肝を抜かれた。
筆者に日本野鳥の会のスキルがあれば、その数を正確に把握できただろう。目視レベルで50人、もはや周囲の大気レベルで
副流煙臭い凄い状況に、子連れの筆者は足早にその場を去りつつ、なんとも言えない既視感を禁じ得なかったのだ。
ああ……。彼らもまた誰かによるクレーム、「くさい」「みぐるしい」等という理由で、いつかこの公園から
追い出される日が来るのかも知れない……。そして、公園には誰もいなくなるのだろう。きっと……。
▽MAMApicks
http://mamapicks.jp/archives/51931411.html
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